中小企業では福利厚生があまり手厚くはなっていないケースがしばしばあります。コストを抑えるためには福利厚生費を緊縮するのは方針として誤ってはいませんが、企業としての成長を止めてしまうリスクがあるので注意しましょう。
中小企業が福利厚生を充実させる意義はどのような点にあるのでしょうか。
制度を整備するために重要な方法と合わせて紹介します。
福利厚生の充実度を見て職場を決める人が増えている
福利厚生を充実させる意義は企業とって大きな財産である人材にこの職場で働きたいという気持ちを持たせられることです。
中小企業を中心として新卒の獲得に苦労しているケースが目立つ時代になり、さらに中途採用をしようとしても第二新卒クラスの若い人材を採用するのも難しくなってきています。
転職市場も拡大を続けていることから、せっかく育てた人材も現場を離れていってしまうことも少なくありません。
このような状況で貴重な人材の離職を防ぎ、新しい人材に入社してきてもらうための基本として福利厚生の充実が必要になっています。
ワークライフバランスが重視される世の中になり、ただ給与が高ければその会社で働きたいと考える人ばかりではなくなりました。
残業がない、休日出勤が不要、多岐にわたる手当があるといった観点を重視している人もいます。
子育てと両立しやすい制度があるか、自己実現のためのキャリアアップ支援があるか、レジャー施設などを割安で利用できるサービスがあるかといった点を考慮して職場を決める人も増えてきているのが現状です。
このような福利厚生で他社に劣ってしまっていると優秀な人材が離れていってしまうことになりかねません。
福利厚生はただ充実させれば良いわけではない
中小企業が福利厚生を充実させようと考えたときに、大手企業で一般的に導入されているものから検討していこうというケースは多いでしょう。
大手企業では人材獲得のために一定以上の水準で福利厚生を整えた上に、さらに独自の制度を作り上げているケースが増えています。
まずはどの大手企業も導入している福利厚生をリストアップし、適宜導入することで充実を図るのは合理的かもしれません。
しかし、それが必ずしも従業員の満足度を高めるのにつながるとは限らないので注意しましょう。
自分にとって必要がなく、身近な同僚も使うことはなさそうな制度やサービスの場合には整えられても意味がないからです。
また、福利厚生を整えるのには多かれ少なかれコストがかかります。
不要な福利厚生が次々に導入されたことによって他の社員にはメリットがあっても、自分にはメリットがないという状況があると不満も生まれかねません。
むやみに充実させようとした結果として、優秀な人材が離れていってしまうリスクもあるため、何を導入するかを検討するときには慎重になる必要があります。
中小企業では組織の規模が小さいのがメリットなので、上手く従業員のニーズを把握して適切な福利厚生を選定するのが肝心です。
ニーズに合った福利厚生を導入するには
従業員のニーズに合った福利厚生が何かを考える上で重要なのがアンケートを取ることです。
中小企業では経営陣が定期的に従業員一人一人と面談をして希望を聞いているケースもあり、その場で意見を吸い上げることもできるでしょう。
しかし、そのような制度を整えている場合であってもアンケートによって意見を聞いてみるのは効果的です。
アンケートには匿名性があるので、経営者に対して直接言うことは憚られてしまうような要望でも伝えやすくなります。本音を聞き出すためには匿名性を重視した方が良いのです。
アンケートの取り方にも様々な方法があります。
具体的に導入候補となる制度やサービスを列挙して順位付けをしてもらったり、一つ一つについて評価を求めたりする方法がまず挙げられるでしょう。
具体案がすぐに挙げられる場合には効果的な方法で、集計結果に基づいて順次導入を進めていけば良いので対応も簡単です。
一方、どんな不満があるかをアンケートで聞いてみる方法もあります。普段は上層部に話しにくい不満点を吸い上げ、その解決策としてどんな福利厚生があれば良いかを検討すると、多様なニーズに柔軟に応えられるものを選び出すことが可能です。
手間はかかりますが、より従業員の満足度が高いものを考えられるメリットがあります。
このようなアンケートを実施した上で福利厚生を導入すると、従業員の印象にも大きな違いが生じます。
アンケートに答えたことで意見が反映されたと認識してくれるため、前向きに制度改革のための意見を出していけば現場が変わっていくと思えるようになるのです。
結果として建設的な意見を現場から吸い上げやすくなり、次に導入すべき福利厚生を見出しやすくなります。
ニーズに合った福利厚生を導入しよう
貴重な人材を失わないようにするためには福利厚生を充実させることが欠かせません。
中小企業では限られた予算を使って従業員の満足度を高められる福利厚生を厳選して導入するのが大切です。
組織規模が小さいメリットを生かして従業員の本音をアンケートによって聞き出し、ニーズに合った福利厚生を導入できるようにしましょう。