少子高齢化が進む社会において、労働生産性の向上に向けた働き方改革は避けては通れない課題です。
もっとも、むやみやたらに働き方を変えるだけでは意味がなく、従業員が納得して受け入れられるだけのワークライフバランスを重視した変革を行うことが求められます。
そこで、以下では効率的に働き方改革を進めるためのポイントについて見ていくことにしましょう。
柔軟な労働時間の確保
働き方改革の基本となるのは、まずは何と言っても従業員一人ひとりが異なるライフスタイルを有しているという事実を正確に認識することです。
例えば、独身男性であれば比較的仕事に時間を割くことができるはずと思われがちですが、人によっては低血圧で朝が弱かったり、親の介護のために時短勤務をする必要があるケースもあるでしょう。
また、同じ女性であっても、独身の場合と、幼い子供を育てている母親の場合では、仕事に使うことができる時間も大きく異なってくるはずです。
そのため、働き方改革を行うためには、なるべく従業員すべてが仕事に割くことができる時間を最大限に活用できるような制度を整えることが必要となるのです。
そのための方策として考えられるのは、フレックスタイム制や裁量労働制を導入するということです。
一つ目のフレックスタイム制というのは、あらかじめ決められているコアタイムの出社を必須としたうえで、それ以外の時間については合計で決まった時間だけ月に働けばいつ会社に来て、いつ帰ってもよいという制度です。
そのため、コアタイムが10時から15時ということであれば、8時に来て16時に帰ってもよいですし、10時に来て19時に帰ることも可能です。
毎日同じ時間である必要もないため、日々の都合に合わせて勤務時間を調整できるというのが大きなメリットと言えるでしょう。
もう一つの裁量労働制は、さらに柔軟な設計が可能であり、労働時間ではなく与えられたタスクをこなすことを従業員に求める労働形態です。
まったく会社に来なくてよいわけではありませんが、例えば営業であれば割り当てられた月のノルマを達成しさえすれば、あとはどこで何をしていてもよいということになります。
ただし、裁量労働制の特徴として、成果が報酬に直結することになるため、優秀な従業員にとっては収入アップの機会が増える一方で、そうでない従業員にとってはいくら頑張っても成果に結びつかなければ評価されないということになる点に注意する必要があります。
柔軟な勤務場所の確保
働き方改革のポイントの二つ目は、勤務時間とともにワークライフバランスの維持・向上に不可欠な要素である勤務場所を柔軟に考えるということです。
インターネットの発達によって、自宅から会社のパソコン環境にログインしたり、オンラインチャットやスマホの通話アプリを使って複数人で同時にコミュニケーションを行うことも簡単にできるようになっていることから、わざわざ毎日会社に行かなくても、社員それぞれが自分の都合の良い場所で仕事をすることが可能となっています。
そのため、子供の面倒を見るために家にいなければいけないような従業員がいる場合には、家で仕事をする在宅勤務制度を認めると、そういった従業員の貴重な労働力を失わずに済みます。
また、在宅勤務を行う従業員が増えれば、彼らの通勤定期代を負担しなくてもよくなるため、企業にとっても経費削減に資することでしょう。
ワークライフバランスを重視して働き方改革を実現しよう
以上で述べたように、ワークライフバランスを重視して働き方改革を実現するためには、勤務時間と勤務場所を柔軟に考えることが重要です。
そのために使える制度が、フレックス制度や裁量労働制、在宅勤務制度といった各種の労働形態ですが、導入に際しては労働法を遵守する必要があることから、まずは社会保険労務士などの専門家に相談しながら進めるとよいでしょう。