インセンティブには「刺激」「動機」「報奨金」といった意味があります。
そして企業における制度としてのインセンティブ制度には「従業員に対して、より高い成果を目指そうとする意欲付けをするシステム」ということになります。
さらに「成果に応じて報奨金を与える制度」と付け加えることもできます。
ここではインセンティブ制度を導入したことで組織活性化の面で目覚ましい好影響を実現した企業の事例を見ていきます。
トップクラスの成果を上げた社員だけでなく、一定の成果を上げたほかの社員にもスポットライトを
企業としては、例えば営業の中でトップセールスの社員に対してスポットライトを当てるのは当然のことです。
しかし、きわめて限定的な報奨は、場合によってはそれ以外の社員の士気を低下させ、チームワークに悪影響を及ぼす可能性もあります。
そこでA社の事例を見てみると、3か月限定の社内キャンペーン期間を設定し、独自のポイントによるインセンティブ制度を実施しました。
目標ラインに到達した社員はポイント還元という報奨を獲得できることになり、多くの社員にスポットライトが当たることになるという改良型のインセンティブ制度です。
その結果、多くの社員が目標達成意識を持つようになり、営業稼働率が前年比で約2倍となり、年間目標を達成し、意欲の維持・向上がそのまま業績アップにつながることが実証されたということです。
成果だけでなくそこに至るまでのプロセスに対しても評価を
B社の事例をみてみます。
企業の発展のためには個人の能力だけに頼るのではなく、組織ぐるみの営業力を確立する必要性を感じていたB社では、「成果」である受注件数・受注額などのランキングによる評価だけではなく、その成果に至る前の段階の「案件化数」や「提案数」といった「プロセス」に対する評価も取り入れたインセンティブ制度を導入しました。
その結果、すぐに成果を出しにくい若手社員の生産性が約1.8倍に上昇し、約半年の間に営業社員のうちのやく70%がインセンティブ制度のポイントを獲得するなど、制度の好影響が見られました。
プロセスに対する評価に加えて社員相互の360°評価も導入
C社では高まる市場のニーズに対応する形で1~2年目の若手社員を増員しましたが、彼らをマネージメントする側も現場での営業を担当しながらのマネージャーということで、組織としての機能の確立が企業として早急の命題となっていました。
そこでインセンティブ制度に、成果のみならずプロセスも評価する仕組みを導入するのに加えて、社員どうしの360°相互評価のシステムも取り入れました。
その結果、より小さな貢献まで評価できるようになり、その評価が積み重なっていくことで営業のモチベーションがあがり、業績が前年比360%上昇という事例が上がっています。
社内コミュニケーションの活性化のために社内SNSを活用
D社の事例を見てみます。
企業としての成長の過程で社員の増加に伴い社内のコミュニケーションの不足が問題化してきていたD社では、社内SNSを取り入れたものの、期待したほどの効果が得られていませんでした。
そこで、社内SNSへの投稿とそれに対するコメントにポイントを与えるシステムをインセンティブ制度の中に取り入れました。
その結果、社内SNSへの投稿数が20%も上がって、社内コミュニケーションの活性化が進みました。
さらに「ありがとう」をクリックして気持ちを贈り合うことで、社員同士が相互扶助し合う文化が生まれたという事例がみられました。
土日出勤でのポイントアップとスキルアップでのポイントアップ
離職率の減少・採用の強化による企業としての充実を図りたかったE社では、土曜日・日曜日に出勤する社員にポイントを付与するシステムと、スキルアップによってポイントを付与するシステムなど、強化したい部分に合わせたきめ細かい評価を盛り込んだシステムをインセンティブ制度に導入しました。
その結果、従業員のモチベーションが向上したばかりでなく、離職率の減少・採用率の増加など好影響が事例として上がってきました。
インセンティブ制度によって実績を上げる企業の事例は数多い。
インセンティブ制度というのは、企業の維持・発展のためにはなくてはならないシステムであると言えるでしょう。
しかし、システムに甘んじ旧態依然としたやり方では、現状にそぐわない面も発生してきて、社員の意欲の低下・チームワークの劣化・業績の悪化といった状況に至る可能性もあります。
上記の企業の事例のように、さらに何かを加えることで新たな発展が望めるということを忘れてはいけないようです。