給与規定を整える際にはインセンティブ制度が話題に上ることが多くなってきています。
導入による成功事例も増えているのは確かですが、一体どのような制度なのでしょうか。
その基本的なコンセプトと導入によるメリットとデメリットを理解して、インセンティブ制度を取り入れるべきかどうかを判断できるようになりましょう。
インセンティブ制度とはどんな制度か
インセンティブ制度は従業員が仕事で成果を上げようというモチベーションを高めるためのシステムを全般的に指します。
従業員が成果を上げたときには、その内容に見合った評価が行われ、報酬が与えられるという仕組みがあるとモチベーションを上げやすいでしょう。
この成果に対する報酬をシステムとして整えたものがインセンティブ制度です。
どのような業務を評価対象とするか、成果の有無を判断する基準をどのようにして設けるか、与える報酬の内容をどうするか、評価するタイミングをいつにするかといった具体的な内容に定型はありません。
インセンティブ制度を導入している企業では現場の状況に合わせて適切な仕組みを整えています。
インセンティブ制度のメリット
インセンティブ制度のメリットは従業員のモチベーションを維持向上させ、企業への定着を促せることです。
インセンティブ制度によって報酬を受け取れるとわかると、仕事に必死に取り組んで経営陣が期待しているような成果を上げることへの意欲が高まります。
一時的とはいえ大きな収入を得られたり、成果が蓄積すると昇進できたりするとなると、自分なりに創意工夫をして成果を上げられるように努力すると期待できるでしょう。
また、継続的な努力を促す仕組みを整えると定着率を高め、長く働いてくれるように働きかけることも可能です。
年度を越えて成果を蓄積できるようにして、一定基準を超えるとインセンティブが支払われるという仕組みが代表例として挙げられます。
インセンティブ制度を導入すると従業員が成長に対する意欲を持つようになるのもメリットです。
成果を上げるためには今のままの自分では難しいと認識すると、報酬を得るには自己研鑽を積まなければならないという認識をするようになります。
社内研修に積極的に取り組むようになったり、外部研修を受講したり、独学で必要な知識や技術を習得したりすることを期待できるのが魅力です。
そのための支援制度も整えるとさらに成長を促進させられるでしょう。
インセンティブ制度にはコストの適正使用ができるようになるメリットもあります。
企業としては事業に貢献している割合が大きい人に対して人件費をより多く配分し、継続的に貢献を続けて欲しいと考えるのがもっともなことでしょう。
いかに優秀でも成果が上げられなければ報酬はないという形になるため、事業への寄与が少ない人にかかるコストを削減できます。
インセンティブ制度のデメリット
インセンティブ制度は仕組みの整え方によってデメリットが生じることがあります。
まず挙げられるのが個人主義になってしまいがちなことです。
個人の成果に対する評価をして報酬を与える仕組みを作ると競争意識が生まれることになります。
他のメンバーと協力して仕事をしようという意識が薄れてしまい、コミュニケーションも減ってしまうリスクがあるのです。
ただし、部門ごとやチームごとといった形で評価制度を整えていくことにより、この問題は克服することができます。
次に考えられるデメリットは評価制度が整っていないとモチベーションを下げることにもつながることです。
モチベーションを上げられるのは社員が確かに成果を上げたと感じたときに、それに見合った報酬が得られるからだと言えるでしょう。
その評価制度が整っていないと大きな成果を上げているはずなのにインセンティブがほとんどもらえないという不満が募ってしまうこともあります。
逆に大したこともしていないのに毎月のように表彰されている人がいるのを不満に思う人もいるでしょう。
結果として正当な評価をしてくれる企業を求めて転職してしまうリスクがあるのです。
また、従業員の中にはインセンティブ制度の影響をあまり受けない人もいるので注意しなければなりません。
あくまで報酬を手に入れたいという気持ちがある人にしかインセンティブ制度の効果はないからです。
成果を出さずとも基本給は与えられているのでそれで満足と思ってしまう人もいれば、自分はそれほど優秀な人ではないから諦めようという人もいます。
そのような人たちに考え方を変えてもらうための教育を行っていくか、もともと意欲が高い人を採用する努力をすることもインセンティブ制度を生かす上では欠かせません。
メリットを生かせるならインセンティブ制度を検討しよう
インセンティブ制度があうか合わないかは職場の環境や対象とする職種、業務内容などによって大きく異なります。
従業員のモチベーションを上げられる可能性が高いというメリットを生かせる現場かどうかをよく吟味するのが大切です。
従業員に意欲を持たせる教育を施し、十分に評価制度を吟味した上で制度の導入を検討してみましょう。